その人の中の物語
これは以前にも書いた気がするけれど、少し前から「ネイタルチャート解説」というメニューを作ってみました。まだモニター価格という形でやらせていただいています。
ずっとタロット占いをメインにしているけれど、「いつ結婚?」「人生の転機っていつ?」など、現時点ではまだ具体的にはスタートしていない件についてのご相談を受けることもあります。
そういった時には西洋占星術の方が強い。
さらにはお客さまとお話していて思ったのは、「いつごろそうなりそう?」よりも「(お客さまは)こういう傾向があるからこれまでこんなふうに来ている可能性が高い」というお話をした方が納得していただける、お客さまにとっても活力になっているようだということ。
それもとても基礎的なところを組み立てからお話した方が説得力があるようだと実感する機会が何度かありました。
そうしてこのメニューについては具体的なご相談に対する解答という形ではなく、ただただお客さまのネイタルチャート(出生図)を読み解いていく、お客さまに伝わるように、ということを中心にしています。
そんなわけでただただ読んでいるのですが、
読んでいるうちに交差しなかったはずのところが交差しはじめること。
要するに、ロジックで読んでいるだけではぱっと見関係のなさそうなところでの共通点が見え始める。
読んでいるうちに、その方の中のストーリーがたちのぼってくるんです。
そこがたまらなく面白い。わたしにとってですが。
18~20歳頃にかけてよく読んでいた本に岸田秀の「ものぐさ精神分析」という本があります。
もう手放してしまったけれど、人が世界を人生を自分を物語化して生きていることを指摘しつつ、批判しながらも否定はしない、「それはそれで必要なのでは」という視点で書いていたんじゃなかったか(かなり忘れている上に調べもせずに書いててすみません)。
ここは答えは出しません。出せるわけもない。
ただ、主体的に生きるためには物語は必要なのかもと思う時はあります。
もちろん「必要ない」という選択をして生きていこうとする方もいるのかもしれない。でもそれも物語のうちのひとつなのかとも思う。