占いの仕事のことと、タロットのつながりのこと。
わたしはただの占い師なので、現時点で全面的にYESとはいえないことをYESとよみかえることはしてはいけないことと思っています。
けれどもたとえ今がYESでなくとも、お客さまに希望は持って帰ってもらいたいと思ってもいます。わたしはお金をいただいて占っている人だ。
ただその希望は、今目の前のその方が今すぐに手に入れたいと思っていらっしゃることとは限らず、その先にあるものということだってあるとも思う。正直なところ。
どうしようもない局面というのは確かにある。
だけれど、多分絶対の、完全な絶望というものはないのだと。
このことについては信じてますね。信じているからその先を探すのかもしれない。
信じてるって言って、わたしが楽天的で前向きな人間かというとそうかもしれないし、そうじゃないかもしれないとも思う。ここは自分ではわからないですね。
だけど、この完全な絶望はないという感じはタロットを学んだことが大きかった気もしています。
ここをご覧になられている方はタロットをご存知の方も多いかと思いますが、タロット78枚は重要・運命的とされる大アルカナ22枚と具体性を示す小アルカナ56枚から構成されています。
大アルカナの22枚はどんな人にも起こりうる人生の1シーンを描いたものと言われているんですけれど、
22枚はばらばらなようで順番があり、繋がることでひとつの物語となるものであり、また、一人の人間の成長の過程を描いたものでもあるとも言われています。
例えば多くの方が怖がられるのが13番の「死神」や16番の「塔」というカード。
絵柄を見ると怖いと思われるのはわかる。
だけれど13番の「死神」で全てを終わらせた次は14番の「節制」で穏やかに整え、
16番の「塔」で全てがきれいに崩れた後には17番の「星」で希望というものが見えてくる。
終わること、崩れることにはそうなるだけの意味があり、次のより素晴らしいステップに進むための必然なのだと。
それは一歩離れて考えてみるとすごくふつうなことなのだけれど、
タロットの大アルカナ22枚の中には端的にそういうことが描かれていて、それを知り、何度も何度もお客さまの物語を通して触れることで、なんとなく奥底にあったわたしの中の考えを掘り起こしてくれたのだと思う。
もっと、知りたい。
なかむらかえる
星とカードと手のひらと。
うっかり等身大で歩きだす、そんなお手伝いをしています。